大きな壁

古川 利雅 神父

　私たちの人生、その中で私たちが歩む道は、神様が待っておられる天国に向かう旅路。それは、ゴールに向かってひたすら一直線な道でも、どこまでも平坦な道でもありません。道は途中で分かれていたりして、左右どちらに進もうか、悩んで選んで進んでゆきます。

　進む道は一本道だとしても、アップダウンがあり、見通しが悪かったり、雨が降ったり、試練があったり、もしかするとこれ以上先に進むことはできないという様な壁に、それも大きな壁に阻まれてしまって、途方に暮れてしまうこともあるかもしれませんね。

　人は弱い小さな存在ですが、人生の歩みの中で成長してゆきます。私たちの歩む道が、平坦な道だけだったとしたら、成長してゆくのはなかなか難しいのではないでしょうか。

　人は困難に遭い、壁に直面した時、色々と考え、試し、自分の力だけに頼るのではなく、人や何かに頼りながら、困難や壁を乗り越えてゆきます。たとえ大きな壁が目の前に立ちはだかったとしても、今自分ができることを一つ一つ行ってゆくことによって、少しづつかもしれませんが、状況は変わってゆくように、変えられてゆくように思います。

　小さな壁、大きな壁。私たちの人生の歩みの中で、必ず現れてくるものではありますが、私たちの成長のために必要なものでもあるのでしょう。その様に捉えることができるなら、私たちの歩みを止めることなく前に向かって歩んでゆくことができるでしょうか。

　親が子どもを見守っているように、神様も私たちを見守っていて下さることでしょう。今日出会う人のことを大切に思いやり、ともに支え合いながら歩んでゆくことができますように。

　神様の祝福が今日も豊かにありますように。