私がキリスト教と出会って一番良かったと思うことの一つは、人間の弱い部分に向き合う覚悟を学んだことでした。
聖書を読むと、イエスは罪びとや貧しい人、心や体にハンディを持つ人たちと積極的に関わり、言葉をかけ、話を聞いています。初めて真剣に聖書を学んだ中学時代、その姿は優しく、「かっこいい」と思えました。
しかし、イエスの本当の勇気は、ご自身が最も弱いものとなって十字架にかけられたときに現れたのではないでしょうか。
大人になり、社会で経験を積むうちに、私は自分自身の弱さや弱点に向き合うとともに、それを克服するために行動せざるを得なくなりました。
学校では、いけないと言われたことはやらなければ良かったのですが、社会では結果を出さなければ何も変わりません。素直に指示を守っていれば良いのでもなく、たとえ止められても自分の意思で断固やらなければならないことも出てきます。それが正しかったかどうか、何年も経ってから分ることもあります。だから、その時々の自身の決断と行動に責任を持つ覚悟を決めるしかないのでした。失敗に対してどんなに反省しても謝っても、行動して結果を出せなければ私の言葉は嘘になってしまうからです。
人は、弱さ、言い換えると自分の影の部分にどう対応するかで、その後の人生の豊かさが変わると思います。逃げれば一瞬はどうにかなっても、その代償を払う日は必ずくると思うのです。
イエスは、人の罪や過ちに自ら向き合い、軌道修正の方法を教えられたと私は感じます。失敗をそのまま受け入れ、そこから歩きだすのです。そして、影を光に変えて未来に向かうのです。
イエスの実践のおかげで、私もそうする勇気をいただけたのでした。