「光」と「影」は、表裏一体、どちらもがあるからこそ、美しい風景や芸術が生まれるのだと思います。
ある晴れた日に、公園を散歩して、ふと地面を見ると美しい影を目にすることがよくあります。そこに自分の影が写っていたりすると、自分が芸術作品の中にいるような気分にひたされ、うっとりしてしまいます。また、子どもたちがそこで影を追いながら鬼ごっこなどしていると、平穏平和な気分に満たされます。このような風景は、私たちの心を豊かな気持ちにしてくれますが、そこに、気づかない「光と影」の美しい光景があるからであります。
私たちの心の中には、喜び、安堵、怒り、悲しみ、恐怖、驚きなど、さまざまな感情が宿っています。これらの感情にも、光と影が表裏一体になって存在しているようです。喜びと悲しみ、安堵と不安、和らぎと怒り、喜びと悲しみ、安心と恐怖などです。これらの二つの感情が極端に流れ出ることなく、常にバランスを保ち、心の平安を保つ努力を決して怠ってはならないと思います。
人生には山あり、谷あり、私たちに色々な経験や挑戦を与えてくれます。その中で一番大切な、「希望」も光と影の中に存在していると言えます。日常生活の中で目に見える光と影の美しさを実感するとともに、「心の中にある光と影」にも目を向けたいものです。そうする事で、たとえ落ち込むことがあっても「光」に向かって希望を持って、たくましく前進できるに違いありません。
南アフリカの人権活動家で、聖公会司祭だったデズモンド・ムピロ・ツツは、「希望とは、真っ暗闇の中で光があると信じること」と言っています。この名言を信じ、より希望に満ちた人生を送りたいものであります。