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自然への感謝

シスター 山本 ふみり

今日の心の糧イメージ

 私の実家は、ポツンと一軒家です。子供の頃は山と海と畑と田んぼと楽しい日々を送っていました。木の実や山菜があり収穫を楽しみながら野山を駆け巡り、海では魚や海藻、いろんな貝、牡蠣、そんな豊かな自然の中で過ごしていた私です。今のようなスナック菓子などあまりなく木の実や果物、野菜がおやつでした。だからこんなに今も元気なのではないかと思ったりします。

 形が悪く時々虫に食われたりしていましたが消毒はせず、とても美味しくそのままいつでも頂けるのが最高でした。野菜とお米は畑と田んぼがあったので時給自足で賄えていました。今考えると本当に贅沢な暮らしをしていたな~と思います。

 今は海の物は細かな契約などで制限され、取って食べる事は難しくなっています。それに、半分は消滅の危機にあります。木の実も木が老いて台風で倒れたり手入れをしなくなって荒れ果てたりして、無くなって初めて分かる贅沢な環境だったことを実感しています。

 いつまでも共に暮らす自然ですし自然あっての私達です。食べて生きていく私達を支えてもらう必要があります。特に自然のものは長い時間と守りが必要です。人間は自分たちの手で自分達だけの便利さを追求し続けた結果、このようになったのではないかと思います。自然の崩壊なんて考えた事はなかったのかも知れません。自然の驚異を知らなさすぎたのでしょうか。自然の驚異に触れた時、自然そのものが悪いかのように錯覚しますが、本当の原因は私達人間にもあるのではないでしょうか? 

 自然も限られた資源です。大切に共に暮らす術を私達は模索する必要を感じます。

 「質素な贅沢」を体験し、人間として生きる道を考え切ることができたらと思います。