先日、ある知人に「人は、何がないと生きていけないと思いますか」と問われて、ハッとしました。私が答えに窮していると、「食料・水・お金、これらがなくても、三日から十日は生きていけます」と言います。
そうです。それらはみんな大事なものですが、なくてもしばらくはなんとかなります。
「しかし、空気がないと、人はすぐにでも死んでしまいます」と彼は言いました。
そうか、確かに、息を2~3分止めるだけで、窒息します。
「その空気を生み出すものは森です。森を守っていかなければ、食べ物も水も生まれないんです」
この知人は、長年林業を家業にしている人で、親子二代続けて自称「日本一の山バカ」と言うほど、山や森を愛する人です。
その後、緑豊かな日本の森を守っていかねばならないという自論になるのですが、聴きながら、私は「感謝」について考えていました。
本当に、人間も動物も、空気がなければ生きていけません。ただ空気を吸って、「有り難いな」とは普通、考えません。なぜなら、当たり前のようにあるから。いくらでもあるから。お金を払うこともないからでしょう。
でも、もし空気が汚染されて有害になれば、自然のおいしい空気を有難いと思うでしょう。
もし何かの理由で呼吸できなくなれば、空気は生命維持のために必要だと思い知るでしょう。
空気は人間が作り出したものではなく、与えられたものです。
森も林も海も大地も空も太陽も、自然はすべて与えられたもの。そこから生まれてくる空気も水も光も食べ物も、生きていくために必要なものを私たちは無償で与えられています。
そう考えると、与えてくださった神様に感謝の気持ちがわきあがってきます。