今から10数年以上前、神学生時代の夏休み、学生担当の神父様と先輩の神学生と一緒に北岳という日本で2番目に高い山に登ったことがありました。夕方前には山荘に着いて、夕食を摂って一休み。真夜中に起きて、外に出て、空の上に広がるきれいな星空を観測し、ご来光を眺める経験をしました。
夜明けが近づくにつれて、空は少しずつ白みだし、その光に隠されてゆくように、星が一つまた一つ見えなくなり、やがて全ての星が消えて、空に白さが増してきたところで、赤い太陽が顔を出して光を放ち、赤みがかっていた色も次第に薄れて次第にまばゆい光が差しこみ、暖かさとともに朝が訪れました。
地球という大地の上にいても、その地球が太陽の周りを回っていることを意識するのが難しい私たちですが、山頂に身を置いて、時の移り行きとともに、自然が変化する中で、その雄大さ偉大さ、そして星のまたたく広大な宇宙、地球の地平線から現れる太陽など、そのダイナミックさに圧倒され、自然の神秘を実感することができました。
慌ただしさの中にあって、広大な宇宙に目を向けたり、身近な草花に目を向けたりして時を過ごすなら、私という小さな存在を見つめ直し、自然との関わりを見つめ直し、新たに歩みだすことができるでしょうか。
神が創造された世界、自然の中で人々とともに今を生きる私たち。
様々なものに育まれ、支えられて、今を歩んでいます。この世に生を受けて生きていることに感謝し、自然に感謝し、自然をいただいていることに感謝し、自然をお創りになられた方に感謝し、そのお方とともに歩んでゆこうとするなら、私たちは大きく変えられてゆくことでしょう。
神の恵みと祝福が豊かにありますように。