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人との絆

村田 佳代子

今日の心の糧イメージ

 以前「出会い」というテーマで原稿を書きました。その折、一見偶然に見える出会いの場には聖霊の働きが作用していることがあると気付いた時に、神様のご計画の中で人間が生かされている事を感じて、洗礼を受けることが出来たという、自身の経験談を披露しました。

 人の絆というのは、その神様の計画表に書き込まれている沢山の線のことのように思います。

 勿論、人間同士の絆でもっとも強いのは血の繋がりによる絆で親族の関係でしょう。

 然し、例えば幼馴染の二人が成人して全く別の世界で活動していたとして、偶然の再会がきっかけで、別々のグループの新しい出会いに繋がり、その二人は幼馴染を再認識し、一層絆が強くなったなどの例を耳にします。

 普段は疎遠になっていたのに災害が起きて いの一番に連絡があった友人同士となれば、それが学友であれ上下関係のある職場の仲間であれ喜びと驚きで一挙に絆を強く感じるものです。困難な状況を共に乗り越えた仲間の絆は特別です。

 絆とはもともと動物をつなぎとめる綱のことです。だとすれば実は、絆の先をしっかりと握っていてくださるのは神様であって、綱が絡まないように、注意深く緩めたり引っ張ったり為さりながら、綱の先の人間同士が助け合い協力し合って進歩し、歴史を築いていく様子を観察なさっていらっしゃるのかもしれません。

 コロナ禍の3年間、綱はほどくことが困難なほど絡まって塊になってしまったのでしょう。

 何本かを強く引っ張りちぎれたのでしょうか、直近の戦争は神様を忘れた振る舞いです。地球温暖化で天災も多発しています。

 今こそ、身勝手な進歩をした半世紀を顧み、人とも神様とも絆を取り戻す時だと思うのです。