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人との絆

シスター 下窄 優美

今日の心の糧イメージ

 私は、実家に帰ると必ず両親に先祖のことを聞きます。今聞いておかないと自分のルーツがあやふやになると思うからです。

 先ず、私が知っている祖父母から始まってどんどん広がっていきます。三代くらい遡るとあまりの数の多さと複雑さについていけなくなります。

 以前いた修道院に記憶力のすぐれたシスターがいました。彼女は、私と同じ年のもう一人のシスターと私を並べて、「あなたたち二人は実は親戚でね」と言い出しました。「そうなんだ」とびっくりして聞いてみるとなんと、彼女のひいおばあちゃんと私のひいおばあちゃんが、ふたいとこということでした。こうなったら、もはや他人ではないかと思ったのですが、血がつながっていることは確かなようで、親しみが増したのでした。

 また、今親しく連絡を取っている人の中に昔、勉強していた時の友人がいます。この友人とは同じキャンパスでもなく、ほとんど直接に話したことがなかったので、今、こうして連絡を取り合い、彼の息子さんが司祭になったことを知り、大変喜んだのは本当に不思議なことでした。

 私たちは、生きている限り他の人と何らかの形でつながっています。その結びつきは自分で選ぶものもあるかもしれませんし、自分の望みとは関係なく与えられることもあります。

 先日保育士をしているシスターが、「赤ちゃんの動きには、成長のために無駄なものは一つとしてないそうなんですよ」と感動して話してくれました。

 私たちの人生についても同じことが言えるのではないでしょうか。あの人、この人との出会いと絆が、人生を終える頃には私の人生を豊かにしてくれるきっかけとなり、支えであったことに気づかせてもらい始めているこの頃です。