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人との絆

古川 利雅 神父

今日の心の糧イメージ

 修道院の最寄り駅近くの道の歩道を歩いていると、向こうからこちらに向かって歩いて来られる方に目が留まり、「Nさん」と声を掛けたところ、こちらに気がつかれ、少しの間、久しぶりに立ち話。10年振り位でしたでしょうか。

 今、お幾つでいらっしゃいますか。そうお尋ねしたところ、それなりのお歳の答え。社会人時代にお世話になった上司の方で、私が会社を離れて20年以上も経ちましたので、齢を重ねたことを想いながら、束の間のひとときを過ごすことができました。

 私たちは決して一人で生きているのではありません。人と出会い、人に支えられながら、人を支えながら、人生の旅路を歩んでゆきます。その様な中で人との関わり、絆はとても私たち一人一人にとって大切なものですね。

 誰かが自分のそばにいてくれる、電話やメール、手紙などを通して誰かと繋がっている、連絡を取り合うことができる。これは私たちを生かし、力強く支えてくれます。今の時代、携帯やインターネットが普及したお蔭で、以前とは比べ物にならないほど簡単に繋がりが持てる様になりました。

 その繋がりを大切にしながら、それを互いに深めてゆければどんなに良いことでしょう。とても簡単に繋がる時代だからこそ、相手を思いやる「心」を大切にして絆を深めてゆくことができればとても嬉しく思います。

 自分にとっての人との絆はどの様になっているでしょうか。支え合い、励まし合う様な想いやりの深い絆になっているでしょうか。絆を大切にしようとする時、大切に思う時、神さまは私たちにきっとその力を与えて下さることでしょう。神さまからの恵みと祝福が皆様の上に、いつも豊かにありますように。