「見えぬけれどもあるんだよ
見えぬものでもあるんだよ」
金子みすゞの童謡「星とたんぽぽ」を歌うとき、しみじみと味わう言葉です。
昼の星、たんぽぽの種など、目に見えなくても確かに存在するものがたくさんありますね。人との絆もその一つだと感じています。
わたしには「深い絆で結ばれている」と感じる方がいます。一人はフランス人のシスターです。わたしはフランス語がわからないので、会話はシスターの片言の日本語でした。実は出会った頃、彼女の強い個性にわたしが引いてしまい、お互いの相性は良いと感じませんでしたが、間に入ってくれた人のおかげで壁がとれて、大の仲良しとなりました。彼女とは年齢も国籍も言葉も異なるのに、お互いの存在が大きな喜びとなり、まなざしや表情で信頼が深まりました。彼女はよく「イエスさまの次にあなたが好き!」とフランス人らしい表現で愛を示してくださったものです。
理由合って、わたしたちが生き別れとなる日が来ました。そのとき彼女は「いつもイエスと!何をするにもイエスと!」と書かれたメモを手渡し、強く抱擁してくれました。
もう一人は霊的指導者です。何十年も前に出会い、お世話になってきた方ですが、近年には霊的なことや老いの心構えなど、今度はわたしの方が相談を受けるようになりました。多くは語らなくとも、そこに天の御父の現存を感じながら交わす言葉や笑いで絆がさらに深まりました。
こちらももうお目にかかることはないかもしれませんが、不思議と寂しさを感じることはありません。
大切な人たちとの絆は目に見えなくても、その中に御父やイエスさまの存在がある限り、時空を超えて平安と支えをもたらしてくれると思っています。