皆さん、けん玉はご存知だと思います。わたしの通っていた小学校では随分流行っていて、その頃からよくけん玉で遊びました。けんと玉とひもでできたシンプルなおもちゃですが、なかなかやりがいがあります。
近頃ふと思うのですが、人と人の絆は、けん玉みたいなところがあります。けん玉は、けんと玉を結ぶひもの間で、けんと玉がくっついたり離れたりします。遊んでいるうちに時々ひもが絡まります。ひもが絡まるのは、難しい技にチャレンジしたときです。チャレンジした技が難しいほど、ひもが絡まることが多くなります。絡まればすぐほどきますが、何度も結び目ができると、ついそのままにしてしまうこともあります。そのうち、いつのまにか結び目が固まって、ほどけにくくなります。あまりに固くなると、もうほどくのをあきらめてしまうときもあります。それでも遊び続けているうちに、ついにひもが千切れてしまい、ああ、もうだめか、とがっかりします。ところが、ひもがなくなってから、今まで考えもしなかった技が生まれたりするのです。
人と人との絆も、深まろうとするときに、チャレンジがあります。絡まって固い結び目ができたり、千切れたりして、もうおしまいだと思うところまで来ることもあります。わたしたちの間に、現れては消え、消えては現れる絆の不思議。その甘く苦い体験を通して、もっと深い絆を身につけます。「愛は、すべてを完成させるきずなです。」(コロサイ3・14)
最近は海外でも続々とけん玉の達人が誕生し、コミュニティは拡大しています。国や文化の絆を越えて私たちを結び合わせる愛の絆が、このような遊びを通しても、現れることがあるのかもしれません。