昨年米国を訪れたとき、たまたまボストン・レッドソックスのホーム、フェンウェイ・パーク球場近くで、ある掲示を目にしました。
チームあげての慈善活動を宣伝するもので、「健康、教育、レクリエーションを通して生活を促進する」というモットーを掲げていました。
これにはいささか違和感を覚えました。たしかに野球チームと結びついた慈善活動は、レクリエーション活動の機会を生み出すための資金援助を含むのでしょうが、「健康、教育、レクリエーション」を並列におくのはどうもバランスがよくありません。
健康と教育とはあきらかに重い分野です。国家の発展を査定するには、国民の健康と教育とが基準に含まれます。そして健康と教育とは複雑にからみあっています。
例えば身体的・精神的健康のための資源にアクセスできる子供たちは、良い教育機会にも恵まれます。そして教育はさらに家族と共同体の健康を促進してゆくことになります。この二つは重要な分野です。そこにレクリエーションを加えるですって? 楽しいことが好きな人にとっては軽視できない項目でしょうが、比較するならば、ずっと軽いものに響きます。
でも、よく考え直してみました。
レクリエーションの本来的な意味は気分転換で、楽しみそのものよりも、活力を回復される目的を強調するものです。個人で活力を充電する人と、人と一緒にできる人がいます。誰にとってもレクリエーションは日常生活からの一時撤退の機会で、人生の痛みやストレスからしばし離れる時間なのです。それによって何が大切であるかを思い出させ、悟らせてくれます。
してみると、ある意味でレクリエーションは「重い」ものです。私たちの重荷を引き受け、私たちを「軽く」してくれるのですから。