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大切なこと

中井 俊已

今日の心の糧イメージ

 大切なこと、というと私はマザー・テレサの言葉を思い出します。

 インドで活動していたマザー・テレサのところに、一時期、砂糖がまったく入らなくなったことがありました。

 そのため、毎日お世話をしている何千人もの孤児、病人、貧しい人たちにも砂糖を分け与えることができませんでした。

 ある4歳の子どもは、教室で先生からその話を聞くと両親に言いました。
 「ぼくは、今日から3日間砂糖を食べないよ。ぼくの分をマザー・テレサにあげるんだ」
 子どもの両親は、子どもにせがまれ、3日後に子どもを連れて訪ねて行きます。

 その幼く小さい子どもは、手に砂糖の入った小さなビンを握りしめ、マザーに差し出しました。それは、男の子が3日間自分を犠牲にしてためたものでした。

 マザー・テレサは、この話を世界中至るところでしました。そして、次のように語ったものです。

 「私は、その子どもから本当に大切なことを学びました。この幼い子どもは大きな愛で愛したのです。

 なぜなら、自分が傷つくまで愛したからです。この子どもは私にどのように愛するかも教えてくれました。

 大切なことは、いくら与えたかではなく、与えることにどれだけの愛を注いだか、であると」

 このマザー・テレサの言葉は、私の心の糧となり、行動の指針となっています。

 私たちの日常生活は、平凡で小さなことの連続です。でも、その一つ一つに愛を込めることができればと思います。

 例えば、苦手な人にも笑顔で応対すること、自分が話すより話を聞いてあげること、忙しいときも困っている人を手助けすることなど、そんな平凡で小さなことにも愛を込めれば、私たちにとって大切な価値が生まれるように思えます。