安らぎ

熊本 洋

　「安らぎ」「心の平安」は、人間にとって、求めて止まないもの、常に保持し、失ってはならないものだと思います。

　とは言え、喜怒哀楽ある人間、常に「安らぎ」ある生活を送ることは、至難の業であります。大波小波、潮の満ちひきのように変わる人間の感情、喜怒哀楽であります。波、風のない凪の毎日など想像できません。イライラ、悲しみ、日常生活にネガテイブな影響を及ぼす精神的台風や嵐の襲来には、常に備え、対応策を身につけておかねばなりません。

　目に見えない心の世界のことだけに、その対応は難しいことですが、自分の気持ちの変化を客観的に観ることが、その第一歩だと思います。

　車に乗っていて前の人がノロノロ運転をしていてイライラしてしまったり、だれかに自分の欠点を指摘され、悲しみ、落ち込んでしまったりさまざまな事が起きますが、その時に、「あっ、イライラしている」、「あっ、落ち込んでしまう」などと気づくことができたら、これはすばらしい事です。そして、自分の心に「リラックス・落ち着いて！」と声をかけ、深呼吸などをすれば、いくらか心を癒し、「安らぎ」を取り戻すことができると思います。

　また、深呼吸と共に「アヴェ・マリア、恵みに満ちた方　主はあなたとともにおられます・・・」と心の世界に通じる真摯な祈りをすると、一段、心の安らぎを得られるに違いありません。

　いずれにせよ、祈りの心を、いつも大切に持ち続けていなくてはなりません。気がついた折には、自分の心が今どのような状態にあるのか、心に話しかけるとともに、常に「安らぎ」を求める祈りを捧げつつ一刻一刻を過ごしたいものです。