安らぎ

シスター 山本 ふみり

　皆さんは「安らぎ」をいつ感じておられるでしょうか？

　安らいでいる時の心と体はどんな状態ですか？

　寒さが増し冷たさを肌で感じる時は、身も縮こまり動きもスムーズにいきません。心を開くどころか閉ざしてしまいがちになります。

　思うように動かない自分の体と心が連動しているのが分かり、中々安らぎは得られない気がします。

　実家は昔、囲炉裏がありました。家族皆そこに集まって団欒のひと時を過ごしていました。寒い時は尚更そこに集り過ごすのでした。

　炭火を熾し母が作った料理は縮こまっていた体と心を少しずつ暖めて安堵と安らぎを感じたものです。

　今はもう囲炉裏と共にその光景も無く寂しく感じています。囲炉裏のある家をもう一度味わえたらな～と時々思います。特にこんなに寒い日が続くと余計に思ってしまうのです。

　本当の安らぎを覚えると、もう一度そこに戻って失くした何か大切なものを取り戻したくなりますよね。人には心地良い暖かさと丁度よい温もりというものがあります。燃えるような火も時には必要ですが、ほろほろとそこにある小さな火のほうが心暖まり安らぎを覚えたりします。時々パチパチと小さな音を立てて火を熾し体の芯から温めてくれる炭火のように、神様が導いてくれた自分の使命をコツコツと果たしながら、人の心を暖める事の出来る人になれたらどんなにいいでしょう。

　人の心を暖めてくれる神様の懐に戻って、嬉しかった事、悲しかった事、腹立たしかった事など、ありのままを隠さず素直に話してみましょう。話してしまうと心の整理が出来、スッキリとなって明日への活力と準備が整います。

　日々の意識の究明を大切にしながら神様からの恵みに気づき、感謝のうちに過ごせますように。