先日とても印象深い結婚式に参列しました。
結婚講座は私が準備して担当、司式司祭は、新婦の幼稚園時代の園長でした。
コロナ禍の影響で、二人は正式な結婚式をすることが出来ず、3年待たされました。その間に入籍をして、女の子が生まれたので、新郎新婦はこの2才の女の子にリングガールの役割を与えたのです。
リハーサルの時、この女の子は、天使のようなかわいいドレスを着て、にこやかにリングピローを持って、歩く練習をしていました。皆もこれならと、安心していました。
ところが、本番になり、これからリングを新郎新婦のところに持って行こうと、おばあちゃんが両親から離れた後ろの席に移ったとき、ぐずり始めたのです。
初めはぐずるだけだったのですが、お尻を床につけて動かなくなり、おばあちゃんが抱えようとすると泣き始めてしまいました。
結婚式は、結婚指輪が来ないのでしばし中断です。なんとか赤いカーペットの端までおばあちゃんが連れてきたのですが、またお尻を床に下ろして動かなくなってしまいました。
司式司祭が「ここまで来ておくれ」と声をかけ、お母さん新婦が「頑張ってね」と促し、お父さん新郎が「歩いてきてね」と招いても駄目です。
参列者全員のまなざしがこの2才の女の子に注がれ、皆、にこやかに待つことになりました。すると、女の子は立ち上がり、よちよちと新郎新婦の方へ向かっていきます。やっと到着した頃には、会場が拍手の嵐でした。
このハプニングで、緊張気味の結婚式の雰囲気が、和やかなものになったのです。本当に心温まる素晴らしい結婚式になりました。
「こんな安らぎのある家庭をつくってくださいね」と、皆がエールを送っているようでした。