まだ若かったころは、新しい出会いや新しい場所、新しい出来事に心をわくわくさせていたものでした。数々の困難を経験しながらも、新しい出来事を喜んでいたものです。しかしながら、歳を重ねるにつれ、新しい事柄に対しては億劫になってしまっている自分に気づかされます。
ところが、人生の日々は、時折、新しい出来事に直面させられることになります。
旧約聖書に書かれている預言者という人たちも、新しい出来事、新しい使命を前にして、戸惑い躊躇していたようです。
例えば、モーセという人が、イスラエルの人々をエジプトから脱出させ、神さまの約束の地へと導くという使命を神さまから与えられた時、神さまご自身から「わたしは必ずあなたと共にいる」(出エジプト記3・12)という約束を受けて、その背中を押されています。
またエレミヤという預言者も、新しい使命を前にして、「ああ、わが主なる神よ わたしは語る言葉を知りません。わたしは若者にすぎませんから。」(1・6)としり込みしていましたが、神さまから「わたしがあなたと共にいて必ず救い出す」(1・8)という約束の言葉を受け取って、その背中を押してもらっています。
現代に生きる私たち一人一人も、新しい出来事を前にして、しり込みしてしまいがちかもしれませんが、イエス様ご自身が、今日も私たちにこう語って私たちの背中を押してくださいます。「わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる。」と。(マタイ28・20)
新しい扉を開けて、一歩を踏み出す私たちと共に、いつも神さまはいてくだるのです。私たちの心の中に沸き起こる不安や心配事をすべて神さまにゆだねて、常に新しい一歩を踏み出し続けていきたいと思います。そのための力と勇気を神さまは必ず与えてくださるのです。