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扉を開ける

古川 利雅 神父

今日の心の糧イメージ

 新しい年が始まりました。新しい年を迎えるにあたり、私たちはどんな準備をしてきたでしょうか。一年の総ざらいとして大掃除を行い、年越しの準備、新年の準備をする。そして厳粛に新たな年をお迎えになられた方も多いのではないかと思います。

 ところで私たちには、大切な人に物を贈る習慣がありますね。何をプレゼントしようかと考えて、自分で贈り物を作ったり買ったりします。贈り物を大切に箱に入れて、さらに紙でつつんでデコレーションをして、リボンを掛けたり、カードを添えたり、袋に入れてプレゼントすることもありますね。

 そこには相手に受け取っていただくだけでなく、開けて下さる様にお願いをして実際に開けていただき、喜んでいただく様子を心待ちにする自分の姿があるでしょう。袋から出して、リボンを解き、包みを外し、箱を開け、中身を見て、相手が喜ぶ姿を見て、自分も喜ぶ...。

 これはプレゼントを開ける時のことですが、今、新しい年が始まり、私たちは新しい一年の扉を開けました。

 この扉を開けて何か見えたでしょうか、何か感じたでしょうか。開けた扉の先、プレゼントの様に具体的な中身が見えたり、何かを感じたりということはもしかすると、ほとんどないかも知れません。

 新しい扉を開けた私たち。きっと新しい何かが、嬉しい何かがあるという期待をもって、期待を込めて、開けたのではないでしょうか。この一年、これからも沢山の扉が私たちを待っていることと思います。その時、同じように期待をもって、期待を込めて扉を開けて、進みだすことができるなら、どんなに嬉しいことでしょうか。

 新しい一年を歩みだした私たちの上に、神様の祝福がいつも豊かにありますように。

*このお話は2024年1月にラジオ番組で放送されたものです*