今年が希望の年でありますように。
さて、今年自分自身に言い聞かせたい言葉は、「恐れるな。キリストに扉を開けよ、いや、開け放て」です。これは後に空飛ぶ教皇と言われた聖ヨハネ・パウロ二世が教皇就任ミサで語られた言葉です。
世界と日本、自分自身の状況をいろいろな面から見て、どうしても悲観的になってしまいそうな自分がいます。そんな自分に向かって言うのです。「キリストに向かって扉を開け放て」と。
そもそもなぜ悲観的になるのかを考えて見ると、社会としても個人としても、今まで出来ていたことが出来なくなることへの不安が大きいと思います。そしてそれに伴う変化に対応できないという不安もあります。
対応が難しい理由の一つは、慣れ親しんだ行動のパターンや考え方を変えることを受け入れられないからです。できれば大きな痛みなしに対応したいと思うのです。でも、この頃の変化は大きくて、変化を受けたくないのにそうせざるを得ない状況です。さらに悪いことには、私たちはその変化を悲観的なものと捉えてしまい、変化によるダメージを出来るだけ小さくしようと小手先の対応をして、それで済ませようとしているのです。そして、それは本当の解決にならないと誰もが知っているのではないでしょうか。
私たちは自分が捉われている悲観的な考え方から解放されなければならないと気付いているのです。では、どうしたらいいのか。恐れや失望に捉われている私自身の扉を開け放つことです。新しい希望の空気を入れて、今まで私を支配していた古い澱んだ空気と入れ替えるのです。だから、新年はまさに「開けましておめでとうございます」なのです。
*このお話は2024年1月にラジオ番組で放送されたものです*