昔はよく、元旦になると、「一年の計は元旦にあり」と言われたものでした。
今は、もうあまり言われなくなったと思います。私は、正月・元旦が誕生日なので、ことさらこういう言い方に特別な思いはありませんでした。そして、実際、あまり一年の計画を立てたこともありません。
けれども、老人になるに従って、一年の計というより、人生の終末を考えるようになりました。
私はクリスチャンなので、来世を信じています。なので、死んだら、天国に行きたいと思っています。死んだら自動的に天国に行けるのだったら、誰も心配はしません。
しかし、キリスト教に限らず、どの国の宗教や文化伝統を見ても、自分が蒔いた種は、自分で刈り取らなければならないということは明白です。そう考えると、現世でなるべく沢山、自分の出来る範囲で、精一杯人々のため、言葉を換えれば、世のために益になる善をなすことが、一番大事なことになるのではないでしょうか。
それには、思い立ったら吉日で、すぐにドアを叩いて、開けることです。そして一歩踏み出しましょう。
私は若い時、朝、目を覚ますと、「教会に行きたい」と感じたので、直ぐに起きて洗面、身支度を済ませ、独りで歩いて教会に向かいました。そして、教会のドアを開けると、神さまの愛と恵みの雰囲気が感じられて、とても良い気持ちになりました。
聖書の中に、「門を叩く者には開かれる」というイエスさまの言葉がありますが、まさしくそうだと思います。恐れや不安や逡巡さを覚えたら、あれこれ考えず、速やかに実践してみることです。そうすれば、眼の前に明るい世界が広がっていることを経験するでしょう。
*このお話は2024年1月にラジオ番組で放送されたものです*