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扉を開ける

熊本 洋

今日の心の糧イメージ

 人生は、いつなんどきでも進路を変えることができると思います。

 改心、つまり、心を改めることによって、人生はいつでも見直しができるということであります。人生の方向も、ひとりひとりが今置かれている状況にどのように焦点を当てるかによって変えることができるのではないでしょうか。

 新年、正月は、改心の絶好のチャンスであります。この機会を逃さず、心を新たに意義ある人生を勇往邁進したいものです。私たちは、過去を振り返り、後悔することがあるかもしれませんが、挫折することなく、絶えず前向きで、前進することを忘れてはなりません。

 「扉が閉じたら、もう一つの扉が開く。だが、閉じられた扉を悔しそうにじっと見つめていては、別の扉が開いたことに気づかない」とは、スコットランド生まれの電話の発明者、グラハム・ベルの言葉です。

 彼が言っているように、何か失敗して絶望的になったとしても、そこから新しいものが生まれ、チャンスも訪れることを忘れてはなりません。過去に囚われ過ぎていると、そこに現れているせっかくの機会を見逃してしまうことがあります。ですから、扉が閉じても、次の扉が開くものと確信し、次の扉の奥にあるものに目を向けるべきです。

 出会いの扉、仕事の扉など、さまざまな扉があると思います。 また、自分から開け閉めする扉と、自然に閉まったり開いたりする扉もあります。いつ、どの扉が閉まったり開いたりするかは、誰もわかりません。

 計画外のことが起きるのが人生です。ある扉が閉じても、もうひとつの扉が開くということを確信し、絶えず前向きに進むことこそ、人生にとって大切であることを、新年にあたり再認識したいと思います。

*このお話は2024年1月にラジオ番組で放送されたものです*