日本では、年末に家の隅々まで掃き清め、清々しい気持ちで新年を迎えるという習慣があります。今日でも、大晦日までに仕事納めをし、大掃除や買い出しをして、新年を迎える準備をする人は多いことでしょう。これまで重ねた失敗を赦していただき、年が明けると新しい一歩を踏み出せる、新鮮な気持ちになれる。そのような期待をこめて、身辺を片付け、心を整えて迎える日本のお正月の習慣はとても美しいと思います。
ではこの「新しさ」は1年に1度、カレンダーを新しくする時にだけに限られることなのでしょうか。
実は以前、ヨガの授業で解剖学の講義があり、その時に教わったことがあります。それまで人の骨は生まれた時の骨がそのまま大きくなっていると思い込んでいました。ところが骨は栄養や身体への負荷や紫外線などに影響されながら新陳代謝を繰り返し、数年で新しいものに生まれ変わっている。つまり、意識していない時も日々新たにされているそうです。
クリスマスとは、私たちに新しい世界をもたらすために、神の独り子イエス・キリストがこの世に来てくださったことを祝う日ですね。そしてイエス様が来られたのは、妬みや争い、搾取や破壊が続くこの世の有り様からすべての人が離れて、新しい価値観、つまり、赦し合い、愛し合う心に生まれ変わることを伝えるため。だから一年に一度や数回ではなく、毎日、毎瞬、愛し合い、赦し合って生きるようにと、私たちを招かれているのではないでしょうか。
新しい世界への扉は毎日、私たちに開かれています!
そのことを忘れないように、この新しい年も毎朝の祈りの冒頭に「今日も新しい一日、新しい命をありがとうございます。」と神様に捧げようと思います。
*このお話は2024年1月にラジオ番組で放送されたものです*