「あなたの持っている最良のものを与えなさい。踏みつけられ、蹴飛ばされるでしょう。それでも与え続けなさい」というマザー・テレサの言葉があります。
この切ない愛は、まず神が私たちに示してくださったものです。神ほど善良な方がいるでしょうか。全能の神は一言で人間を滅ぼすことも、世界を変えることもおできになる方です。しかし、そうはなさらず、わが子に忍耐強く正しいことを教える母のように見本を示してくださいました。
神さまは、イエス・キリストをこの世に遣わして、どれほど人を愛し、見つめているかを現してくださったのです。
病の癒し、悪霊にとりつかれた人の解放、生きる喜びを教えた3年間の後、イエスは痛めつけられ、死刑囚としてエルサレムの城壁の外で、十字架につけられました。
しかし、それでも神は私たちを罰するのではなく、最良のものをお与えになったのです。それは、イエスの復活でした。
神は、今も私たちを愛しておられます。
二千年後の今日、欲望に振り回された人間によって地球は痛めつけられ、崩壊寸前ですが、神は毎日青い空ときらめく星座を見せてくださいます。大地は人工的な物質に汚染されましたが、鳥や花や緑はなくなってはいません。
この善良な神に倣うことこそ勇気ある生き方です。たとえば、汚染の少ない有機野菜を作るために工夫を重ねる人々、危機に瀕した幼い命を守ろうと1円募金を呼びかけ、学校や役所に募金箱を設置するために歩き回るボランティア、24時間体制で、苦しみ悩む人の電話を受ける人々、平和な社会をつくるため、戦争体験を語る人たちなど。
彼らは勇気をもって最良の自分自身を与える人たちなのです。