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親近感

古川 利雅 神父

今日の心の糧イメージ

 似たもの同士、人や物。共通の事柄を発見すると、それまで遠くに感じていた物や人に親しみを覚えるようになります。海外に一人で行き、街中で何気なく会話を交わした人が、日本に行ったことがあったり、同じ所に行ったことがあるなど、お互いの接点があると、急激に心理的な距離が縮まります。

 恋人や親子がペアルックを着ると、さらにお互いの深い結びつきを感じたりしますし、小説の人物、ドラマやニュースに出てきた人が自分と同じ境遇だったりすると、私たちは自分に重ね合わせることで、親近感を感じる様になります。

 このことは私たちが今を生きる上で、大きな力になるでしょう。自分は独りぼっちだと思っていたとしても、親近感を感じる「何か」を探して共感し、そこから力をいただいて歩むことができるなら、今とは違った生き方や自分自身に変えられてゆくことでしょう。

 自分にとって親近感を感じる「何か」とは一体何でしょう。それは人や物だけでなく、植物や動物かも知れません。また神が創られた世界と様々なもの、神に目を向けられてはいかがでしょうか。

 目に見えない神が、私たちの救いのため人となり、私たちのところに来て下さいました。神であり人であるイエス・キリスト。そのお方が人となって私たちのところに降られた。そのことを想う時、救い主、イエス・キリストに親近感を感じ、聖書を通してその生涯を眺めながら、力をいただいてともに歩んでゆくことができるでしょうか。

 新年、新たな時が始まりました。神を探し求め、神と出会い、神との親しさのうちに、神から生きる力をいただいて、神とともに歩んでゆくことができれば良いのでしょうね。神の恵みと祝福が豊かにありますように。