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導かれて

森田 直樹 神父

今日の心の糧イメージ

 キリスト教に初めて出会ったのは、物心ついた小学校1年生の時でした。我が家は特に宗教を信じていたわけではなく、幼稚園はお寺さんが運営する園に通っていて、そこで初めて"お祈り"の体験をしました。

 小学校に通い始めた頃、キリスト教の存在を知り、少々興味があった私は、キリスト教の幼稚園を卒園した同級生に「キリスト教って何?」と質問しました。するとその同級生は、「マリアが天使ガブリエルからお告げを受けて、ヨセフと一緒にベツレヘムに行って、そこでイエスが生まれた」とキリスト降誕のお話をしてくれました。その時、あまりにもカタカナの名前が出てきたので、私は混乱してしまい、お話の途中で聞くのをやめてしまいました。

 続いて、キリスト教との接点があったのは、小学校3年生か4年生の頃でした。

 これまた別の同級生が教会の日曜学校に通っていて、その子に誘われてクリスマス会に参加したのです。クリスマス会ではゲームをして遊んだりしましたが、肝心の盛大なパーティーの気配は見当たりません。最後に小さなお菓子の袋をもらって帰ってきました。

 何か肩透かしをくらったかのようでした。

 カトリックの中学校に入った時、初めて体験したミサで、信者の先生や生徒たちが「ご聖体」と言われるパンをもらっていたのを見て、「このパンを食べてみたい」と思っていました。最終的に高校2年生のクリスマスに洗礼を受けることになるのですが、これまでの人生の歩みの経験から、少しずつ導かれて、神さまを知るようになっていったのだと思います。少々不思議な私の信仰への歩みです。

 私が気づかないうちに、神さまは着々とその道を準備してくださったのだと思います。