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輝く

シスター 山本 ふみり

今日の心の糧イメージ

 人間が一番輝く時はいつでしょう。皆さんはいつだと思いますか?

 私は今年の黙想会でのことを思い出しました。

 黙想の同伴をしてくださるシスターに「頭で考えているわね。心で味わうのよ。」と言われ、ショックで立ち上がれず悲しみと腹立たしさでやる気を失いました。今までの祈りが違うのだと知って、どうすればいいのか分からなくなってしまったのです。「私は大丈夫。これが出来ていれば苦しみも悲しみも何とかなる。」と頼っていた節もあり、何よりも自分は祈りが出来ていると思っていたところが傲慢でした。

 準備し、祈りの意向をたてて、回想する。この3点セットが出来ていなかったのです。

 一番苦労したのは神様と対話が出来ないことでした。神様に全てを委ねて降ってくるメッセージを待つことをせず、自分の考えで生み出した自分の納得のいく祈りをしていたのだと知りました。

 自分の傲慢さや自己中心的考えと戦った黙想会でした。アッという間に吹き消され、自分のありのままの姿にがっかりして倒れ伏したのでした。自己中心的な全くの独りよがりの祈りをしていたのだと気づき、神様にごめんなさいの心で「ゆるしの秘跡」にあずかり、同伴のシスターにあたった事をお詫びしました。

 いつだったか黙想を指導してくださった神父様に、回心とは、心を開く「開心」から、悔い改める心の「改心」へ、そして最後には、心を神様に回す「回心」へと繋がっていくのだと教えて頂いたことを思い出しました。まさにそれを実感し体験したのでした。謙虚に自分の貧しさとありのままを知るいい機会の黙想会でした。

 人間が一番輝くのは、この恵み百%の「回心」の時だと思いました。

 神様、何度倒れてもこれからもよろしくお願いします。