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輝く

シスター 山本 久美子

今日の心の糧イメージ

 ある雨上がりの日、手入れの行き届いていない庭の雑草が輝いていました。草の上の雨露が、太陽の光に照らされて光っていたのです。その時、草ぼうぼうの庭が美しいと感じることに、ハッとさせられました。普段は気づかない、名もないような雑草は、人に注目されることもなく、時には不要、邪魔なものとさえ見なされがちです。しかし、そんな雑草だからこそ、勢いよく生きる姿から命の尊さが感じられました。人工的な街路樹や花壇にはない、自然の美しさ、特に太陽の光が創り出す自然の芸術に感動しました。

 旧約聖書の創世記に、「天地創造」の物語があります。最初に、創造主なる神様が、何もない闇の中から「光あれ」と言われて、光が創り出されました。それから、この世界のすべてが創られ、その創られたすべてを、神様が「よし」とされた物語です。

 今も、太陽の光によって、この地上のあらゆる生命活動が支えられています。雑草や、あらゆる植物は、人間や他の生きものに酸素をもたらしてくれます。花を咲かせ、実をつける植物は、栄養も与えてくれます。自然の営みというのは、私たちが普段考えている以上に素晴らしいものです。

 太陽の光に照らされて、雑草が輝くように、私たち、一人ひとりも、神様の創造という恵みに照らされて生かされています。私たちは生きている、それだけで奇跡のように輝く存在ではないでしょうか。

 同じ命は、ただ一つとして存在しません。一人ひとりはかけがえのない存在であり、他人と比較するためではなく、一人ひとりとして創られました。そのような存在として、生かされていることに気づき、感謝することができれば、私たち、一人ひとりは、きっと輝くに違いありません。