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輝く

シスター 下窄 優美

今日の心の糧イメージ

 先日、ある方と話していたら、突然彼女の顔が輝き出しました。私の修道会にこの方の縁戚のシスターがいる事が分かったのです。自分が大事にしている人を同じように大切にしている人がいるということは、自分が大切にされていると同じくらいに嬉しいことです。客観的に見て何も変わってはいませんが、互いに関係のあるこの事実を知った私たちの心はずっと近くなっていました。

 「ビューティフル・レターズ 綴られた言葉」という映画では、人を認め勇気づける言葉がどんなに人を輝かせるかを描いています。手紙をもらう前はしょんぼりと川を眺めていた人が手紙を読むと笑顔になって「ありがとう」と手を振るのです。

 「星はおのおの持ち場で喜びにあふれて輝き、その方が命ずると、『ここにいます』と答え、喜々として、自分の造り主のために光を放つ」。(バルク書 3・34~35)

 私の好きな聖書の箇所の一つです。私はこの箇所を読むと飼い主に声をかけてもらおうと期待して待っている犬を想像してしまいます。目を輝かせて主人を見上げている犬が、主人の声がかかるやいなや尻尾をちぎれんばかりに振って喜ぶ姿です。

 そして、実はこれは私たち一人ひとりでもあると思います。好きな人といることはそれだけでも嬉しいことですが、声をかけられれば、私を特別に大切に思ってくれていると感じてさらに嬉しくなり、顔は輝きます。好きな箇所をもう一つ。「あなたは存在するものすべてを愛し、お造りになったものを何一つ嫌われない」。(知恵の書 11・24)

 今生きているということは、それだけで愛されていることの証拠です。生きている限りどのような状況にあっても少なくとも失望する理由はないのだと教えられています。