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ひらめき

崔 友本枝

今日の心の糧イメージ

 ひらめきは突然やってきます。

 先日、電車に乗っていると、ふと優しく甘い感じが心に流れてきました。祈っていたわけではなく、友人に「生命尊重の全国研修会」についてメールをしたときのことでした。私は、これまでの人生が、いかに神さまの祝福の中にあったかを突然感じ、胸がいっぱいになったのです。

 周りに人がいるので思い切り泣くわけにはいきませんが、ただ、感謝がこみ上げてきて涙がポロポロ落ちました。

 「生命尊重センター」は、40年前、マザーテレサが来日されたおりに、講演を聞いて感動された7人の若い女性が立ち上げたものです。サポーターは全国に8万人もいます。出産の費用に困って中絶をしなくてはならないと思い詰めていた主婦や、結婚できない人との間に妊娠した女性、中高生の妊婦などに、理由を問わず、どんな条件もつけずに安心して子供を生めるよう出産費用を助ける「駆け込み寺」のような所です。善意の人たちの「一円募金」によって、現在、900人以上の赤ちゃんが生まれました。

 私が感謝でいっぱいになったのは、自分の命もまた、神に望まれて造られた事、挫折や試練、失敗のとき、辛いとき、いつも神さまにどうすればいいかをお尋ねして、いつのまにか導かれてきたと感じたからなのです。「生命尊重センター」との出会いもそうでした。講演会や活動報告を聞き、私は、教育を通じて若い人達に「性は命に直結している素晴らしいもの」なので、軽々しく扱ってはいけない、自分の命も新しい小さな命も危険にさらすことになる、と伝えるようにしています。

 私にとってそれは、神さまと一緒に行なう喜ばしい仕事です。