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いごこち

熊本 洋

今日の心の糧イメージ

 「いごこち」のいい所には、いつまでいても、苦痛になりませんが、「いごこち」の悪い所では、だれしも、即刻立ち去りたくなるものです。楽しいパーティーでは時間を忘れ、あっという間に時間が経ってしまいます。苦痛な会議では時間が止まっているように感じられ、時計の動きが遅くなったように思います。

 この「いごこち」の「いい」「悪い」は、どこで決まるのでしょうか。それは、居場所の環境の良し悪し、また、自分がいたい場所、いたくない場所であるかにもよりますが、第一に自分の「心」がどのような状態であるかにもよると思います。快適な環境にいれば、「いごこち」はよく、飽きるまで、そこに止まっているかもしれません。逆に、不快な環境にいればマイナスな気分になり、そこをすぐ立ち去りたくなります。

 人間だれでもそうですが、自分の内側に目を向け「心」を平安な状態にしておけば、置かれている環境の受け入れ方も変えることができると思います。心を平安で、よい状態にするには、深呼吸、祈り、瞑想などいろいろありますが、自分に合った心の安らぎ方法を見つけることが大切です。そして、日頃から「心」の修練をし「心」をよりよい状態に常に保ちたいものです。冷静な心を通して自分の思考や感情の動きを察することができるようになれば、自分の置かれている状況をいくらかでも「いごこち」のよい場所に変えられるのではないでしょうか。

 今後、「いごこち」の悪い環境に置かれた場合、いやだとマイナス思考になるのではなく、意識を「心」に向け、深呼吸や好きな祈りを心で唱えるなど気持ちを穏やかにし、落ち着いた「心」で「今」と向き合い、「いごこち」のよい環境にしたいものです。