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生きがい

熊本 洋

今日の心の糧イメージ

 「人生には、どんな時にも意味がある」という言葉をある本で目にしました。ウイーン大学医学部神経学・精神医学教授だったヴィクトール・フランクル氏の言葉でした。なんでもないような言葉ですが、見過ごせないアドバイスだと思います。

 私たちはよく「自分は、なんのために生きているのだろうか」と生きる意味について問いかけることがありますが、私たちは、人生から「問われている存在」だとフランクルは主張しています。また、フランクルは、私たちは様々な条件、状況の中で自らの意志で態度を決める自由を持っている。また、人間それぞれの人生には独自の意味が存在していると言っています。

 人生には、いろいろな事があり、悲しい時も辛い時もありますが、大切なのは生きるということ自体、私たちに課せられた仕事だということを忘れないことです。自分にできることを発見し、どのような環境であれ、それがどれだけ小さな事であっても、続けてやっていくことが生きる事の意味でもあると思います。

 信仰を持っている者は、常に祈りとともに御旨を実践することを心がけることだけでも素晴らしいことです。捧げる小さな行動が人や社会の力になり、自分の生きることの意味になってくれるように思います。そしてその行動を積み重ねていくことにより自分の中でも希望が生まれ、それが生きがいになっていくのではないでしょうか。

 「生きがい」とは、ひとりひとり違うものでありますが、自分なりの生きがいを発見し、それを確立しながら、人のため、世のために尽くすことが肝心であると思います。