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ゆるし

古川 利雅 神父

今日の心の糧イメージ

 小さい頃はとても素直な子だったのに、大きくなったらそうではなくなってしまった。その様に誰かから言われたりしたことや、また誰かに言ったりしたことはありませんか。

 「大きくなったら」を「大人になって」「年を取って」また「しばらく見ない間に」など言い換えられるかもしれません。その過去と現在、その間の時間は長いかもしれませんし、短いかもしれません。いずれにしても残念なことに「変わってしまった」という事実は、否めないのでしょうね。

 私たちの日々の生活の中では様々な出来事が起こります。意識的に相手に何かを行って、誰かを傷つけてしまうこと、私たちが何気なく発した言葉や態度で相手を傷つけたりすることもあるかもしれません。その様な時に率直にその事を認めて謝って、相手との関係を修復するのは、私たちにとって決して小さなことでなく、大切なことではないでしょうか。

 とはいえ、他人の目を気にしたり、自尊心・プライドが邪魔したり、自分が感じている感情に振り回されて、自分は悪くない、あの人が先に謝るなら謝るが、自分からは決して謝ることはしないなど、かたくなになってしまっているとしたら悲しいことですね。

 私たちは一人で生きているように思えても、決して一人で生きているのではありません。様々な人とのかかわりの中で、支えあいながら、ともに生きています。責めるべきことがあっても「ゆるし」「ゆるされ」ともに手を携えて歩んでゆけるなら、どんなに良いことでしょう。

 私たちの様々な人との関わりはどの様になっているでしょうか。ゆるしが必要であれば、謙虚にゆるしを願い、ゆるしを必要としている人をゆるし、ともに歩んでゆくことができますように。