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委ねる

シスター 下窄 優美

今日の心の糧イメージ

 物を作ることや機械を触ることが割合好きな私は、何でも自分でやってみようと思う方です。基礎を習ってからやればもっとうまくできるのでしょうが、とにかくやってみようと始めます。

 そんな私が苦手なのが、責任あることについて何かを他の人に任せるという事。自分が十分に理解していないことについては、理解できるまで尋ね、そうだと納得できるまで質問します。信用していないのではないのですが、自分が理解できないことをそのまま誰かに任せる事が出来ません。

 共同の仕事をしている時に、仕上げが私の思っている通りになるだろうかと気になります。私個人の仕事ではないのですから、私の思い描く通りにする必要はなくて、チームが話し合ったとおりになればいいのですが、それでも細かい所が思い通りでないと、ちょっとがっかりして、自分に言い聞かせるのです。「私の思いよりチームワークが大事」と。

 チームですることはものつくりだけでなく、プロジェクトであったり、様々な会議を経ての決定事項であったりします。最終的には、チームの意見としてまとめるために自分の意見を引っ込めざるを得ない時がありますが、その時に大事しているのは、「祈りのうちに議論を重ねて決定したことは、私個人の意見よりその時の判断としてふさわしい」と信じることです。実際そうなのです。途中険悪な雰囲気になっても、十分な話し合いをすると、よい結論に導かれます。

 互いに助け合い、それぞれに任せられた役目を果たしつつ、最後にはチームとして決定し実行したら、結果は神様に委ねます。

 「人事を尽くして天命を待つ」という言葉がありますが、「委ねる」というのはまさにこのようなことだと思います。