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委ねる

村田 佳代子

今日の心の糧イメージ

 ここ数年の傾向と思われますが 各地の市町村が公立の施設などを指定管理制度に移行させて、運営を指定管理者の民間業者に委ねるということが多く見られます。

 委ねるとは信頼して任せるということです。無責任に、本来やるべきことを他者に無理矢理押し付けて任せたつもりでいることとは、大きく異なります。「人任せ」にするのではなく、委ねるとは任せた後も経過観察をして委ねた結果に責任を持たなければなりません。指定管理制度の場合は、5年ごとにとか一定期間が過ぎると見直しが行われ、選考委員会による審査があります。

 幼児の養育を共働きの親から委ねられた祖母が、孫である幼児を不注意から怪我をさせてしまったというような新聞報道を時々みかけます。忙しくほかのことに気を取られた結果なのでしょうが、家族皆にとって不幸なことです。

 このような事例から、委ねるとは委ねるほうにも委ねられたほうにも等分に責任があることがよくわかりますし、両者の間に絶対的信頼がなくては成立しない関係ですから、私たち人間にとってはかなり難しいことに思えてきます。

 そこで聖書を手に取ってみましょう。神様はご自分の独り子を産むことを乙女マリアに委ねられました。するとマリア様は「私は主の仕え女です。お言葉どおり、この身になりますように」とお答えになりました。(ルカ1・38)そこで、天使は去っていった。と、ルカによる福音書の記述は続きます。

 委ねるというメッセージを届けた天使は、しっかり受け取ったマリア様のお答えに満足し、安心して去っていった様子が伝わります。ヨハネの福音書十四章には、まさに、委ねる父なる神と委ねられた主イエス・キリストの関係が記述されています。