カトリック教会が日々ささげている祈りに『教会の祈り』というものがありますが、その中の「寝る前の祈り」に、次のようなお祈りがあります。
「父よ、あなたにゆだねます。 父よ、わたしをゆだねます。わたしを救われたいつくしみ深い神。 父よ、わたしをゆだねます。栄光は父と子と聖霊に。父よ、あなたにゆだねます。父よ、わたしをゆだねます」。
神さまに向かって、「父よ」と呼びかけながら、自らの全てを神さまに向かって委ねていくお祈りになっています。
一日の働きを終えて、軽い疲労感を覚えながら眠りの床に就く前に、教会はこの祈りを神さまにささげるのです。
自らが果たすべき事柄をすべて成し遂げた後、私たちにできるのは、神さまにその後を委ねることしかないのかもしれません。
それは、一日の最後であっても、人生の最後を迎える時であっても同じなのかもしれません。
「父よ、あなたにゆだねます。父よ、わたしをゆだねます。」という祈りは、私たちが最後にささげられる祈りということができるかもしれません。そこには、神さまはいつも善い方である、良いように取り計らってくださるという希望のうちに、すべてを委ねる姿勢が伴っていくのでしょう。
私たちは、自分のやりたいように、自分の計画通りに自分の周りの物事を進めていく傾向が強くあります。私自身、そのような傾向を強く持っています。しかしながら、神さまのみ前にもっと大切なことは、自分の計画がうまくいくことではなく、神さまにすべてを委ねながら、お任せしていくことなのです。
「父よ、あなたにゆだねます。父よ、わたしをゆだねます。」という祈りを常に忘れず、神さまにささげ続けていきたいと切に願っています。