共存共栄

古川 利雅 神父

　共存共栄。少しばかり漢字を解きほぐしてみますと、わかりやすくなりますでしょうか。共に存在し、共に栄えるという言葉になりますね。立派な四字熟語。よく使われている様に思いますが、文字通りに実践していくことは難しい様にも思います。

　競争が当たり前になっているような社会の中で、共に立つ、共に生きる、共に繁栄する、共に存続するにはどうすれば良いでしょうか。あらためて社会を見回してみると、以前にはなかった動きがあることに気づかされます。

　先日、久しぶりに飛行機に乗る機会があり、大きな航空会社で予約・購入したのですが、運航する会社は小さな航空会社で、いわゆるコードシェア運航便。自社だけで全てを行うと、沢山費用がかかるため、できるところを分担し行うことで、どちらの会社も自社が運航しているという形になるので、共存共栄を目指していると言えるでしょうか。

　これは社会の中での一つの例ですが、私たちは身の回りで、共に存在し、共に栄えるため、何をしているでしょうか。身近な家庭の中で家族とともに生きるため、生きていくために、私たちは具体的に何かをしているでしょうか。大切な家族と共に住んでいる方もおられるでしょうし、別々に離れて住んでいる方もおられるでしょうね。

　その様な中で、それぞれがそれぞれなりに何ができるのかを考え、互いのことを思いやり、歩んでいくことができればどんなに嬉しいでしょうか。共に栄える。「栄える」の言葉を、「長く生きる」「充実した生を生きる」など別の単語に置き換えても良いかも知れません。

　私たちが共に存在し、共に長く生き、充実した生を生きることができますように。神様の恵みと祝福が豊かにありますように。