私は、世界的ベストセラーの「7つの習慣」という書籍と出会い、初めて「ウィンウィン」、「自分も勝ち、相手も勝つ」、ビジネス界では双方にメリットのある関係の意味を理解することができました。「共存共栄」という言葉に言い換えられると思います。
私は、「7つの習慣」から、何かに依存するのではなく、自分の人格を土台に、自分の選ぶ人生の責任をもつ、つまり真の自立の上に、出会う人との信頼関係、正しい相互依存の関係を築くことができ、そのような関係をつくり出すために、自分自身の生きる姿勢、物事の見方を見直し、精神を高め、知性を磨くことの大切さを学びました。そして、自分を真に大切にし、他者に聴き、尊重すること、理解されるよりも他者を理解することを、そういう姿勢が真の自立と真の人間関係を助け、私とあなたという1プラス1の関係が、2ではなく、3にも4にもそれ以上にもなって膨らんでいくイメージが湧きました。
自分の未熟さを思うと、理想論だと否定してしまいたくなりますが、人生を他者との比較や競争で台無しにするより、自分自身と自分の人生を引き受け、出会う他者を大切に、いろいろなことを分かち合い、双方に豊かになることは、聖書に描かれている「パンの奇跡」(マルコ6・30~44)にも通じると感じて、心がワクワクするのを感じました。これこそこの世界のあり方、「共存共栄」だと思います。
このように味わってみると、このパンの奇跡の意味が深まったように感じます。イエスが、弟子たちに「あなたがたが彼らに食べ物を与えなさい」と言われた言葉こそ、自分も他者をも満たす「ウィンウィン」の関係、人生を愛と共感の場にしていくことだと気づかされます。