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共存共栄

湯川 千恵子

今日の心の糧イメージ

 宇宙飛行士・野口聡一氏のインタビュー記事を新聞で読み、想った。 

 彼が宇宙で船外作業をした時、地球は煌々と輝いているのに、眼下の宇宙は360度星すら見えない暗闇の無の世界だった。手を離せば、底なしの闇に入ってしまう...。恐怖を感じた野口氏曰く「宇宙は基本的には死の世界。生きている事は奇跡。地球も奇跡のような星。」 

 その奇跡のような命溢れる地球が、悪の誘惑に弱い人間の、畏れを知らぬ強欲な乱開発で生態系のバランスを失い、異常気象で大災害が続出。

 コロナ禍や強国の武力侵攻で難民も続出する悲惨な現状である。地球がすっぽり広大な宇宙の闇に入ってしまいそうで恐ろしい。希望も救いもなくなった気がする。 

 しかし私は想う。二千年以上も前に【私は世の光】と宣言し、更に【神を全身全霊で愛せよ。また隣人を己の如く愛せよ】と人の正しい生き方【愛の道】を説いた神の御子イエス・キリストは、永遠に変わらない世の暗闇を照らす希望の光ではないのかと。 

 イエスはこの愛の道を自ら誠実に生きられた。ご自分を無にして神を愛し、寝食を忘れて病人を癒やし、弱い立場の人々を慰め、十字架上で命を捧げて人類の罪を贖い、復活して、神の無限の愛と憐れみを証し続けて居られる。 

 イエスに従いこの愛の道を生きる者は、いつも共にいてくださるイエスに助けられ、神の祝福を得て魂に平安が与えられ、勇気を持って前に進むことができる。 

 今こそ世界中の指導者や善意の人々が、イエスの光を受けてこの愛の道、我欲を捨て、互いに尊重して認め合い、話し合い、理解し合って助け合う、すなわち「共存共栄」の道を謙虚に真剣に忍耐強く祈りながら歩まねばならないのではないかと私は想う。