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喜びの日

崔 友本枝

今日の心の糧イメージ

 世界中のみんなが大好きなクリスマス。聖書を読んで2千年前のその夜を思い浮かべてみましょう。

 ベツレヘムで羊飼いが野宿をしながら羊の番をしていると、天使がそっと近づきました。急にあたりが明るくなり、天使はこう言いました。「わたしは民全体に与えられる大きな喜びを告げる。今日、ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。この方こそ主メシアである。あなた方は布にくるまって飼い葉桶の中で寝ている乳飲み子を見つけるであろう」。(参 ルカ2・10~12)

 ベツレヘムでついにイエスは聖母マリアからお生まれになりました。イザヤという預言者は、救い主は乙女からお生まれになることを預言しています。本当にその通りでした。羊飼いが喜んで探しに出かけると、赤ちゃんが家畜の餌入れである「飼い葉桶」で眠っていました。

 王や金持ち、この世の権力者たちの子どもは家畜小屋では生まれません。しかし、全宇宙を作られた王の中の王、神の子イエスは、最底辺の人と同じようにベッドも何もない場所でお生まれになったのです。それこそが「救い主であるしるし」でした。

 救い主とはどんな方なのでしょう。救い主は、人間のどんな悲惨な状況にもたじろがず、優しく受け入れ、最後まで人を大切にする方です。たとえて言えば、肉親からも見放された死刑囚と何年もつきあい、その話を聞き、刑が執行される直前まで一緒にいる教誨師のような方です。彼は、死の恐怖におびえ、混乱している人をそばで支えます。闇の中に一緒にいて光になってくれます。このような方、救い主が地上にお生まれになったのです。それは世界中の大きな喜びです。

 イエス・キリストとは「救い主イエス」という意味です。