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喜びの日

シスター 山本 ふみり

今日の心の糧イメージ

 クリスマスは、神様が人間となり、この世に誕生してくださった事をお祝いする日です。人類の救いの始まりが幼な子イエス様であり、しかも、救いの計画は今も続いていて、これからも永遠に続くと思われます。

 では、幼な子イエス様は私達に何を伝えようとしているのでしょうか?

 いつだったか生まれたばかりの赤ちゃんを見舞ったことがあります。小さすぎて壊れそうな赤ちゃんです。小さい手が私の指をしっかり握りしめてくれたりすると、握手されたようで嬉しくなり、足で蹴ってくれると元気と刺激を貰い、泣いてもぐずっても、とにかく何をしてもかわいくてたまらなく、理解できないと知りつつも、こちらも赤ちゃん言葉で話しかけます。それは少しでも自分の思いを伝えたくなるからでしょう。人の手を借りなくては何も出来ない赤ちゃんのありのままの姿が、私を素直にさせ、柔らかい心、奮起する力、希望が心を支え、愛するがゆえに何かを犠牲にできる真の喜びを知ります。

 神様も私たち人間を見ると、何をしてもかわいい存在で愛くるしく、何とかして救ってあげたいと思われたのではないでしょうか。本当の意味で人として生きる事の価値を知り、神様に心を開き、赤ちゃんのように全身全霊を委ねつつ、誰かの何かの役に立てることの喜びを生きて欲しいと思われたのではないでしょうか?

 幼な子イエス様は、神様から人間への最高級のプレゼントです。最愛の御独り子を、犠牲にしてでも人間を救いたいと願った神さまの御心です。

 クリスマスは、私達人間がその神様の存在とみ旨を知り、人が人として生きていく価値を再確認し、救われている存在でありながら、お互いに助け合える存在でもある事を、もう一度気づく日にしたいものです。