▲をクリックすると音声で聞こえます。

喜びの日

古川 利雅 神父

今日の心の糧イメージ

 師走、年末、12月。街中も住宅街もクリスマスのお祝いのデコレーションに包まれて、心躍る季節となり、新年の足音も近づいて来ています。この時期、慌ただしさや寒さの中にあっても、暖かな雰囲気の中にある様に思います。

 それはどうして? ふとそのようなことを考えてみました。何よりもまず、クリスマスがあるからでしょうか。でも多くの人には、一つの社会的な行事、風習になってしまっていて、救い主イエス・キリストの誕生を意識している人は少ないかもしれません。

 このお祝いの日に合わせて大切な人のことを想い、何かを行おうとする。それは愛の想い、愛の行いとも言えるでしょう。計画を温めて、進めて、最終的には当日はお互いに時間が取れずに会えないとしても、カードや手紙、プレゼントを贈る、忙しい日常の合間を縫ってほんの短い時間でも電話する、メッセージを残すなど、お互いを大切な存在として受け止め、心と心を通わせるなら、その日はきっと大きな喜びの日になるでしょうね。

 あなたにとって喜びの日は、いつでしょう。自分の誕生日、大切な人の誕生日、子どもが生まれた日、婚約した日、結婚した日などなど、沢山思い浮かぶのではないかと思います。その中には忘れてしまっていた日も幾つもあるかもしれませんね。それを一つ一つ丁寧に思い巡らしてゆくと、昔自分が大切にしていた日、大切にしていた人、大切な出来事などが、走馬灯の様に駆け巡り、忘れていた大きな喜びが心に浮かんで来るかもしれません。

 お互いを大切な存在として受け止め、心と心を通わせて大きな喜びがある。その様な日が増えてゆくなら嬉しいですね。私たちが生きる毎日が、喜びの日となってゆきますように。