安らぎ

湯川 千恵子

　「安らぎ」のテーマを見た瞬間、次の聖歌が心に浮かび、口ずさんでいた。

　【私は静かに神を待つ　私の救いは神から来る　神は私のよりどころ　私の救い...　私の希望は神の内にある。】

　あれこれ思い煩い、不安と恐れで落ち着かない時、この聖歌を歌うと不思議に光が差し込んで心が明るく軽くなり、何とも言えない満ち足りた気持ちになって喜びが沸いてくる...。

　両親を早く亡くして人の命のはかなさを感じて育ったせいか、私は人一倍心配性で怖がりだった。ところが長女をカトリック幼稚園に入れたことで神の存在を知った。

　批判と好奇心で父兄対象の聖書研究会に入り、聖書を学ぶ内に、いのちの与え主である神が全ての人を無条件に愛しておられること、更にイエス・キリストはこの神の大きな愛を告げ知らせるために神から遣わされた神のみ子であることを知った。

　イエスは自分を無にして神の言葉を語り、奇跡で病を癒して神の愛を顕し、十字架上でいのちまで捧げて人類の罪を贖い、３日目に復活された。人生最大の恐れの「死」でさえイエスによって滅ぼされた。「死」は神のいのちと共に永遠に生きる天国への希望の旅立ちとなったのである。それを想うと嬉しくなり、もう怖いものはない。 

　イエスは言われた。【恐れるな。私は世の終わりまでいつもあなた方と共にいる。】（参　マタイ28・20）

　私たちはイエスと共に、イエスを通して、目には見えない神を「天の父」と親しく呼んで助けを祈り求める事ができるのである。 

　今も時々惑う私は、聖書の、イエスが語る言葉に神の誠実な慈愛を感じて信仰を取り戻し、魂の平安を頂いている。

　憐れみ深い救い主・イエスに祈ろう。真実の救い・魂の安らぎは彼を通して神から来るのではないだろうか？