▲をクリックすると音声で聞こえます。

安らぎ

村田 佳代子

今日の心の糧イメージ

 憂いの無い平穏な一日を過ごし、祈りを感謝の内に捧げ、ベッドに横たわれば、瞬く間に眠りに誘われる、これこそが安らぎに包まれる実感です。困難と思われていた責任ある仕事を成し遂げ、満足して椅子に腰を下ろしホッとお茶を一口という時、達成感と共に静かな安心感に包まれます。

 日常生活の中で起こる心温まる小さな出来事を思い返すとき、心の底から喜びと安らぎが湧いてきて、しみじみ良い人々に囲まれているという幸せを感じます。一昔前は、仕事の忙しさもあり、計画通りに物事が運ばないとイラついたり、仕事相手に不満を持ったりすることがありました。年齢を重ね、人間の知力・体力・経験の違いを認め受け入れるようになって心に余裕が出来てきたと思います。

 ことにコロナ禍になって人間の無力を思い知らされる一方、自然の豊かさ美しさに改めて気づかされ、創造主の存在を再認識し、新しい生活のルールを学び直した実感があります。

 21世紀はテロに始まり、異常気象や地殻変動による自然災害、新しいタイプのウイルスの発生、その上戦争の本格化を予感させる事態まで起きています。過去20年をふりかえると、出来事は、人知の及ばぬ大きな存在が人間の選択を見極めようと計画されたもののようにさえ感じられます。

 旧約聖書のバベルの塔の逸話にもあるように、人間が神への感謝と畏れを忘れ傲慢であり続けるなら、ヨハネがパトモス島で見聞きした黙示録の世界が現実に成り得ます。

 「明日の事を思い煩うな」「して欲しいと思うことを人にしてあげなさい」『おそれることは無い』「ゆるしなさい」「絶えず祈りなさい」聖書のみ言葉に従い生活することで安らぎを保てるのです。