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ときめき

シスター 萩原 久美子

今日の心の糧イメージ

 日常生活の中で、心が躍ったり、胸の高鳴りを感じたり、そうした「ときめき」を感じることがあるでしょうか。「ときめき」を感じると、今まで見えていた世界がキラキラと輝き、明るく楽しいものとなってくるような気がします。

 だけど、そうしたときめきを感じることは特別なことで、ときめきなんか感じない、と言いたくなる時もあるかもしれません。

 でも、ちょっと"見方を変える"というだけで、今まで何気なく見ていたものがキラキラと輝きを放ち、心に何とも言えない感動や胸の高まりを覚えることはないでしょうか。

 ちょっと腰をかがめてみると、小さな虫や小さな花々が、そのいのちを一生懸命輝かして生きていることに気づき、励まされることがあります。目に見えるところだけでなく、日頃は気づかないところに目を向けてみると、わたしを支えてくれている様々なことに気づかされ、感謝の思いが自然と湧いてくることがあります。

 小さな気づきを重ねていくうちに、生きているものすべてが愛おしく、一つ一つのことが大切に思え、わたしの心はときめきに満たされてくるのかもしれません。

 聖書では、人間はいつか神様のみ前で、どのように人生を歩んできたかを問われる日が来ると教えています。その時、神様に問われることはどれだけ成功したか、どのくらいお金を貯めたか、権力の座に昇りつめたかではなく、どれだけ関わる人々や小さくされた人々に心をかけたか、つまりどれだけ人を愛したか、です。

 人を愛するということは、病気になっても、年を取って体が思うように動かなくてもできることです。人を愛するとき、神様はそれ以上にわたしを愛して下さっています。最高のときめきだと思います。