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ときめき

シスター 谷口 恵美

今日の心の糧イメージ

 「ときめき」という言葉を聞くだけで、ときめいてきます。何か、わくわくするような期待感が心に生まれます。

 「ときめき」を思い返すと、赤ちゃんの無邪気な笑顔だったり、朝のしっとりとした空気の中にただようバラの香りだったり、夜空に凛と輝く月、心に響いてくるメロディーや詩などたくさん!「ときめき」は心がキュンとなり、「わ!ステキ!」と感じる瞬間のような気がします。「ときめき」を思い返していて、すごく幸せな気持ちになりました。

 そして、みんなはどんなことにときめくのだろう、と訊いてみたくなりました。

 実際、修道院の姉妹、友人や家族、恩人、いろんな人に尋ねてみたのですが、みんな、それぞれがときめくことを話してくれる時、目がキラキラ輝いていて、ステキな笑顔が見られました。電話で話していても、ふつうの声から嬉しそうな声に変わり、話し方も軽やかで、よろこびが近くで感じられるようでした。ときめきは、人の心にエネルギー、生きる力を与えてくれるようです。

 ルカ福音書の中に、イエスの死後、がっかりしてエルサレムを去り、エマオという村を目指して歩いていた二人の弟子のお話しがあります。途中、二人の弟子と共にもう一人の人が一緒に歩み始めるのですが、実はその人は復活したイエスでした。でも二人の弟子はそれがイエスだとは気づきません。後で気づき、二人は語ります。「道で話しておられるとき、また、聖書を説明してくださったとき、わたしたちの心は燃えていたではないか」。(ルカ24・32)

 私はこの聖書の箇所を読む時にときめきを感じます。この二人の弟子もときめきを感じたのではないでしょうか。

 ときめきはイエスの命と出会える恵みではないかと思います。