以前、何かのテレビ番組で私の大好きな指揮者の佐渡裕氏が特集され、そのインタビューの中でとても印象に残った言葉がありました。
それは、佐渡氏がまだ若く、レオナルド・バーンスタインに師事されていた時のお話でした。佐渡氏がバーンスタインのプライベートジェット機でバーンスタインと一緒に移動した事があったそうです。その機内の会話でバーンスタインから「Life can be beautiful」と言われたそうです。当時苦学されていた佐渡氏に、自身も貧しい苦しい環境から、世界的な指揮者になり、プライベートジェット機で移動できるような大成功を納めたバーンスタインからの言葉だったのですが、「人生、頑張れば報われる」や「良い事がある」ではなく、「Life can be beautiful」と語られた事がとても印象的でした。
私には、バーンスタインが晩年に成功して豊かになった時期だけでなく、貧しく、苦労し、思うようにいかなかったであろう若い時からの全ての時間をbeautifulと形容されていたように思われました。だからこそ「報われる」や「良い事」と表現されなかったのだと思いました。
どんなに辛い時期があっても、その時には理解できなくても、すべての時間がbeautifulになるのだと、神様のお計らいがあるのだと思えました。そして大事なことは、その為に一生懸命に神様から頂いた時間を努力して生きることだと思います。だからこそ、バーンスタインは「Life is beautiful」では無く、「Life can be beautiful」と語ったのだと思いました。