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挨拶

シスター 谷口 恵美

今日の心の糧イメージ

 先日、良い天気の日に、川の土手を歩きながらロザリオの祈りをしていると、一人のおばあさんに出会いました。「こんにちは!」と、どちらともなくあいさつすると「あら!シスター!?」と、おばあさん。遠目にはわからなかったけれど、近くに来てシスターの姿だと分かったのだそうです。私もおばあさんが手にしているものは、数珠だろうか、と思っていたのですが、「シスター!?」との言葉に、もしかして・・・と思っていると、それはやはりロザリオでした。

 おばあさんは、川の近くに住んでおられるカトリックの信者さんで、偶然の出会いをとても喜び、ご自分のことを話してくださいました。お互い、手にはロザリオを持って。

 おばあさんの話では、しばらく体を壊して教会に行けなかったのだけれど、最近調子が良く、ぼちぼち行けるようになったのがうれしい、と。体を壊して、それからロザリオの祈りを始めた、とのこと。その他、たくさんのことを話してくださったのですが、その合間に近所の小さな子どもたちが通ると、そのたびに「お帰りなさい!」とか、「気を付けてね」とか嬉しそうに声をかけられる姿がとても印象的でした。

 おばあさんは長い間、小学校の先生をされていたのだそうです。子どもたちだけではなく、出会う人とあいさつを通して関わることを、とても大切なこととしてご自分の中に持っていらっしゃるのだな、とその姿を見て感じました。

 お話に垣間見えるおばあさんの人生の歩みの中での神様との出会い、そして信頼は、心の奥深くに根を下ろし、それがおばあさんを支えているようでした。

 お互いの出会いを神様に感謝してお別れしました。「こんにちは」の一言で始まったうれしい出会いでした。