私たちは、いつも母親に挨拶します。「お母さん、おはよう。よく休めましたか」とか、「お母さん、お誕生日おめでとうございます」など。子どもの時だけでなく、大人になり、家を出た後も母を忘れることはありません。
同じように私たちは、いまもキリストの母マリアさまに挨拶をします。
聖母は、我が子が十字架上で死にゆく姿を泣きながら見つめ、立ち尽くしておられました。母親にとってこれほどのひどい悲しみ、苦しみがあるでしょうか。しかし、人間が犯した莫大な罪の負債を償えるお方はただお一人、人となられた神、イエス・キリストだけでした。本来は、人間が支払わなければならなかった「罪の結果」を、代わりに十字架によって支払ってくださったのです。
聖母マリアさまは、イエスさまのお心に一致し、世界中の人が罪から離れ、神との親しさを取り戻し、幸福に永遠に生きるようにと苦しみを引き受けてくださいました。ですから、私たちは今もマリアさまに感謝しながら挨拶を続けます。それが「アヴェ・マリアの祈り」です。
天使ガブリエルがマリアに現われて「おめでとう、恵まれた方。神さまはあなたと共におられます」と挨拶した言葉から始まる祈りをここに記しておきましょう。「アヴェ・マリア 恵みに満ちた方、主はあなたと共におられます。あなたは女のうちで祝福され、ご胎内の御子イエスも祝福されています。神の母聖マリア、私たち罪びとのために、今も、死を迎える時もお祈りください。アーメン」。
アーメンとは、そうなりますように、という意味になります。