おそらく有史以来ずっと言われてきた事であろう「今の若いものは・・・」という言葉。本当に世代を重ねるたびに人類が劣化を繰り返して来たのであれば、今日の発展は無いでしょう。
しかしながら、斯く言う私も小児科医として子供達と接していると、昨今の子供達に「レジリエンス」が弱い印象を持ちます。決して今の子供達が劣っている訳では無いと思いますし、私の子供の頃も変わりはなかったように思います。
私の親は戦後復興を生き、祖父母は戦前戦中を生き、曾祖父母は明治を生きました。上の世代からすると次の世代が恵まれた負荷の少ない世の中に生まれ育ったように見えたかも知れません。ただ、負荷の強さに差はあったかも知れませんが、皆それぞれに負荷のある中で大人になったのだと思います。
ところが、最近は負荷の強弱では無く、負荷そのものが否定される傾向にあるように私には感じられます。負荷が否定された事はおそらくこれまでに無かったのではないでしょうか。愛情を持って負荷をかけようと思うと、負荷をかける側の能力が問われるように思います。つまり、子供達より、大人の能力が問われるのです。4人の子供達をもつ親として、自分の子供達にレジリエンスを持って欲しいと願っています。その為にも、子供の間にいかに愛情を持って負荷をかけ、その負荷から逃げる事なく向き合う中で神様と対話することに気づき、レジリエンスを身につけて欲しいと願います。
とは言いながら、そんな私も神様から見ると、きっと大昔から繰り返される「今の若いものは・・・」とぼやいている大人の一人に過ぎず、子供達も心配しなくてもきちんと神様へと導かれていくのであろう事も分かっているのですが。