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めばえ

シスター 山本 ふみり

今日の心の糧イメージ

「めばえ」と聞くと、枯木の株の脇から新芽が生え出ているイメージがします。皆さんは、いかがですか? 

 カトリック教会では主の復活をお祝いしています。福音書ヨハネ20章19~23節の中で、弟子たちがユダヤ人達を恐れて閉じこもっていた所に、復活されたイエス様が現れて、両手に釘の跡と胸に槍の跡を見て、喜んだとあります。これは、十字架に架かって死んだはずの先生が、復活したことをまぎれもない証拠として見せている所です。それを見たお弟子さん達は、喜び、平安と聖霊の力をいただき、別人のように宣教に出かけて行きます。

 昨年こんなことがありました。急にアイフォンを持つことになり、猫に小判状態でした。苦手意識もあり見て見ぬふりし、ただの置き電話くらいの感覚でした。失敗しながらも段々慣れてくるといろんな機能があり便利で楽しくなります。また、コロナ渦で患者さんと家族が面会もままならない中で、場所を移さずに出来るオンライン面会を見る時、非常にいいものだと感じます。

 最初は無関心だった私が、今ではアイフォンからの良き知らせを待っています。人と人が繋がっている感が精神的にも落ち着きを取り戻します。

 苦手意識を超え良い物として受け入れることが出来た時、そこにめばえた自分自身と、復活された主と出会って新しい人となった弟子たちの姿とを重ねます。新しい事への挑戦が、自分の知らない新しい世界に広がる事も実感しました。

 木々がめばえる春の季節に、復活の信仰を深め、苦手意識を超えて、新たな挑戦をする事にめばえますように。

 自分で限界を決めたりして、神様が私達一人一人に下さっている大切なものまでも消してしまわぬようにしたいものです。